【後悔しないために】貸事務所・貸店舗の「内見」で見落としがちな重要ポイント10選
「物件の内見は、まるで結婚前の相手を見定めるかのよう。第一印象だけで判断してしまうと、後々大きな後悔を招く可能性があります。」
長年、事業用不動産の仲介に携わってきた私達は、数多くの企業や店舗オーナーが、内見時のチェック不足によって、契約後に予期せぬトラブルに見舞われるケースを目の当たりにしてきました。煌びやかな内装や広さといった表面的な部分に目を奪われがちですが、本当に重要なのは、日々の業務や店舗運営に影響を与える、隠れた部分を見抜く力です。
今回は、そんな内見の際に「ついうっかり」見過ごしてしまいがちな、しかし絶対に確認しておきたい重要ポイントを厳選して10項目ご紹介いたします。これらのポイントをしっかりと押さえて内見に臨むことで、後々のトラブルを未然に防ぎ、あなたの事業の成功をより確実なものにできるはずです。ぜひ、このチェックリストを片手に、理想の物件との出会いを果たしてください。
1. 電気容量:事業の生命線を左右する隠れた重要事項
オフィスや店舗にとって、電気はまさに血液のような存在です。しかし、内見時に電気容量まで確認する方は意外と少ないのではないでしょうか。特に、OA機器を使用するオフィスや、厨房機器、空調設備など、動力が必要な店舗の場合、契約後に容量不足が発覚すると、業務に支障をきたすだけでなく、追加工事が必要になる可能性もあります。
内見時には、分電盤のアンペア数を確認し、現在の事業に必要な容量だけでなく、将来的な拡張も見据えた上で十分な容量があるかを確認しましょう。もし不明な場合は、電気業者へご確認ください。
2. 空調設備:快適なワークスペースと顧客の滞在時間が鍵
一年を通して快適なワークスペースを維持し、お客様に心地よく過ごしていただくためには、空調設備は非常に重要です。目視可能な部分の汚れだけでなく、実際に動作させてみて、異音や異臭がないか、動作に問題がないかを確認しましょう。
特に集中システム空調の場合、個別の温度調整が難しいことや、営業時間外の利用に追加料金が発生するケースもあります。これら詳細についても、契約前にしっかりと確認しておく必要があります。
3. ネットワーク環境:現代のビジネスに不可欠なインフラ
現代のビジネスにおいて、高速で安定したインターネット環境は空気と同じくらい不可欠な存在です。内見時には、インターネット回線 の種類(光ファイバーなど)、建物内の配線状況、LANポートの数などを確認しましょう。
また、Wi-Fi環境の整備状況や、セキュリティ対策についても確認しておくと安心です。もし、現在の事業に必要なインターネット環境 が整っていない場合は、導入工事の費用や期間についても事前に確認しておく必要があります。
4. 構造(新耐震基準 vs. 旧耐震基準):安全性の基本的な指標
建物の安全性は、事業を継続していく上で最も重要な要素の一つです。特に、1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物に適用されている「新耐震基準」を満たしているかどうかは、地震発生時の安全性において大きな違いがあります。
内見時には、築年数を確認し、新耐震基準を満たしているかを確認しましょう。旧耐震基準の建物の場合、耐震補強工事の実施状況などを確認することも重要です。
5. 法規制と用途地域:事業内容が許可されるかどうかの確認
物件を選ぶ際には、その物件が所在する用途地域における法規制を確認することが非常に重要です。例えば、住宅専用地域では店舗営業が許可されない場合がありますし、事務所利用が可能な地域でも、業種によっては別途要件が課せられることがあります。
契約後に「この場所では自分の事業が許可されない」という事態に陥らないよう、事前に用途地域を確認し、場合によっては検査済証なども確認することが大切です。
6. 周辺環境: 従業員の定着率や顧客離れにも影響を与える周辺環境
オフィスや店舗の周辺環境は、従業員の働きやすさや顧客離れに大きく影響を与えます。
- オフィスの場合: 周辺の交通アクセス(駅からの距離、バス停の有無)、周辺ランチの豊富さ、金融機関や郵便局などは、従業員の満足度を高める上で重要な要素となります。
- 店舗の場合: 周辺の競合状況、ターゲットの顕在率 、視認性、治安などは、売上を左右する重要な要素となります。
内見時には、実際に物件の周辺を歩いてみて、これらの要素をご自身の目で確認することをおすすめします。
7. 音の問題:集中できる ワークスペース と顧客定着率のために
騒音は、オフィスでの集中を妨げたり、店舗での顧客の快適性を損なう可能性があります。内見時には、周辺の交通量、工事現場の有無、 お隣からの音漏れなどを確認しましょう。
特に高速道路沿いの物件や、防音が施されていない 建物 の場合は、注意が必要です。実際に窓を開閉してみて、騒音度合を確認することも有効です。
8. 日当たりと風通し:健康的で快適な環境の基本条件
自然光が差し込む明るいオフィスや店舗は、従業員のモチベーションを高め、顧客にとっても快適な空間を与えます。また、風通しの良い 室内は、湿気や悪臭を防ぎ、衛生環境を保つ上で重要です。
内見時には、時間帯を変えて滞在し、日当たりの変化を確認したり、窓を開けて風の通り具合を確認することをおすすめします。
9. バリアフリー対応:皆さまに優しい ワークスペース と 顧客定着率 のために
近年、バリアフリーへの意識は更に高まっています。オフィスや店舗の入り口、エレベーターの有無、トイレの構成など、身体的に制限のある方でも利用しやすい環境が整っているかを確認することは、企業の社会的責任の観点からも重要です。
特に店舗の場合、バリアフリーは顧客定着率に直接影響を与える可能性があります。
10. 共用部分の管理状況:建物の品質を示す鏡
エントランス、廊下、トイレ、給湯室などの共用部分の清掃状況やメンテナンスは、建物全体の管理品質を示す鏡です。共用部分がきちんと管理されている建物は、入居者や顧客に安心感を与え、建物の耐久性にも繋がります。
内見時には、共用部分の状態も徹底的に確認し、管理会社の管理体制を見極めるための重要な指標としましょう。
後悔しない内見のために:私達が伴走します
物件の内見は、あなたの事業の未来を左右する重要なプロセスです。表面的な魅力に惑わされることなく、今回ご紹介した10個の重要ポイントをしっかりと確認し、ご自身の目でで物件の本質を見抜くことが大切です。
もし、内見の際に少しでも不安や疑問を感じたら、遠慮なく私達にご相談ください。長年の経験と専門知識を持つ私達が的確なアドバイスをします。
「誠実な取引」をモットーに、あなたの事業の発展を心から願い、真に価値のある物件との出会いを全力でサポートさせていただきます。後悔のないオフィス・店舗選びのために、ぜひ私達にご相談ください。