私たちが「三方よし」を大切にする理由～事業用賃貸仲介の現場から～

「良い仕事は、関わる全ての人が幸せになるものでなければならない。」

これは、私の変わらぬ信念です。私たちの行動方針の一つに「常に『改善』し『三方よし』を心がけよう」という言葉があります。この「三方よし」という考え方は、単なるスローガンではありません。日々の事業活動の根幹であり、私たちがお客様と、そして地域社会と向き合う上での羅針盤なのです。

今日は、なぜ私たちがこれほどまでに「三方よし（貸主、借主、そして地域・社会）」の考え方を大切にしているのか、その理由を、事業用賃貸仲介の最前線での経験を踏まえながら、じっくりと語らせていただきたいと思います。

事業用賃貸仲介の現場で目の当たりにする「一方通行」の落とし穴

長年、事業用賃貸の仲介に携わってきた中で、残念ながら「一方通行」の取引を目の当たりにすることがありました。例えば、目先の利益だけを追求し、借主の事業計画や将来性を十分に考慮せずに、条件の合わない物件を強引に勧めるケース。あるいは、貸主の意向ばかりを優先し、借主にとって不利な契約内容を押し付けるケース。

このような取引は、一時的にはどちらか一方に利益をもたらすかもしれませんが、長期的には必ず歪みが生じます。借主が事業に失敗すれば、貸主も安定した賃料収入を失うことになりますし、地域社会全体の活力低下にも繋がりかねません。

私も常々感じていることですが、不動産取引は、単なるモノの貸し借りではありません。それは、事業という夢の実現を支える舞台であり、地域経済の活性化に繋がる重要な営みなのです。だからこそ、私たちは、関わる全ての人が満足できる「三方よし」の精神を何よりも大切にしているのです。

「貸主よし」：安定した賃料収入と物件価値の維持

まず、「貸主よし」について考えてみましょう。私たちは、貸主様の大切な資産である事業用物件の価値を最大限に引き出し、安定した賃料収入を確保できるよう努めています。

そのためには、単に条件の良い借主を見つけるだけでなく、長期的な視点でのマッチングが重要になります。借主の事業内容や経営状況、将来の展望などを可能な限り把握し、物件の特性や貸主様の意向との最適な組み合わせを見つけることが、私たちの腕の見せ所です。

また、入居後のトラブルを未然に防ぐためのサポートも欠かせません。契約内容の説明はもちろんのこと、入居後のフォローアップや、必要に応じた修繕・管理のアドバイスなども積極的に行っています。これにより、貸主様は安心して物件を管理し、長期的な収益の安定に繋げることができるのです。

「借主よし」：事業の成長を支える最適な物件との出会い

次に、「借主よし」です。私たちは、これから事業を始めようとする方、あるいは事業拡大を目指す方にとって、最適な事業用物件との出会いを全力でサポートします。

単に物件情報を提供するだけでなく、借主様の事業計画や予算、将来のビジョンなどを可能な限りお伺いし、そのニーズに合致する物件を多角的に提案します。立地条件、広さ、設備、賃料といった基本的な情報はもちろんのこと、周辺環境や地域の特性、将来的な発展の可能性なども考慮に入れた上で、最適な物件を共に探し出すのです。

また、初めて事業用物件を借りる方にとっては、契約に関する不安も大きいでしょう。私たちは、専門的な知識に基づき、契約内容を丁寧に説明し、疑問や不安を解消することで、安心して契約に臨んでいただけるよう努めています。私たちの目標は、借主様が事業に集中できる環境を提供し、その成長を陰ながら支えることなのです。