社長が考える「成功する経営者」に共通する視点~物件選びから見えてくること~
はじめに
「成功する経営者とはどんな人か?」という問いは、経営に携わる者であれば一度は真剣に考えるテーマです。私たちは名古屋市東区を拠点に、主に貸事務所や貸店舗といった事業用賃貸物件を仲介しています。その中で、何百という経営者の皆様と接し、開業のサポートや移転、拡張といった節目を共に歩んできました。
その経験から、成功している経営者に共通する「物件選びにおける視点」があることに気付きました。本記事では、その視点を解き明かし、これから起業を目指す方や、事業展開を考えている方へのヒントをお届けします。
1. 成功する経営者は「立地」に対する独自の軸を持っている
よく「立地がすべて」と言われますが、成功する経営者は「なぜこの立地が自分の事業に合っているのか」を明確に説明できます。ただ人通りが多い、駅から近いというだけではなく、
- 客層の属性とエリア特性の一致
- 同業他社や異業種との共存可能性
- 将来的な開発予定や街の成長性
といった中長期的視点で立地を判断しています。例えば、名古屋市東区・栄や久屋大通周辺では、ブランド力の高い立地を狙う飲食や物販業が成功事例として多く見られます。エリアの特性を深く理解することが、物件選びにおける「経営戦略の第一歩」なのです。
2. 初期投資に「柔軟な思考」を持つ
開業時の初期投資は、事業成功の可否に大きな影響を及ぼします。成功する経営者は、単に「安い物件」を選ぶのではなく、コストパフォーマンスに優れた選択をします。
例えば、居抜き物件を上手く活用したり、フリーレント交渉を行ったり、設備・内装に対して「使えるものは活かす」視点を持っています。また、予算配分にもメリハリを付け、
- 物件取得費用よりも広告・集客に重点を置く
- 立地は一等地だが内装は最低限に留める
など、限られた資源の中で最大効果を得る工夫が見られます。逆に、安さに飛びついた結果、立地や設備に不備があり集客が伸びず、撤退を余儀なくされたケースも実際にあります。
3. 「事業成長に耐えうる物件か」を見極める
経営において重要なのは、今の視点だけでなく未来を見る力です。成功している経営者は、事業が成長したときにその物件が足かせになるか、もしくは成長を後押しするかを考えています。
例えば、以下のような観点が挙げられます。
- スペースに拡張性があるか(将来スタッフが増えた場合)
- 周辺に競合が出店した場合の影響は?
- 建物の管理体制や設備の更新頻度
私たちは、ただ今の「条件に合う物件」ではなく、「この場所で3年後、5年後にどのように展開していくか?」というビジョンを共有しながら、物件を提案しています。
4. 「管理の質」を重視する
物件の良し悪しは外観や立地だけで判断できません。実際に使ってみて初めて分かることがたくさんあります。成功する経営者は、物件選びの際に「管理状態」まできちんと確認しています。
具体的には、
- 管理会社の対応スピード
- 設備不具合への対処体制
- 共用部の清掃・衛生状態
といった、日常的なオペレーションの質をチェックしています。事業に集中するためには、トラブルの少ない環境が不可欠。私たち自身も「誠実な管理」「顔が見える対応」をモットーに、入居後のサポート体制にも力を入れています。
5. 情報収集と意思決定のスピードが早い
市場は常に動いています。良い物件はすぐに決まってしまうのが現実です。成功している経営者ほど、日頃から情報を集めており、良い物件が出たときに即断即決ができます。
私たちは、経営者のビジョンや条件を事前にヒアリングすることで、マッチする物件が出た瞬間にすぐご紹介できる体制を整えています。物件選びは“ご縁”でもありますが、そのご縁を引き寄せられるかどうかは、準備の差にあります。
まとめ:物件選びは経営戦略の一部
事業用物件の選定は、単なる「場所探し」ではありません。そこには経営者の価値観や戦略、将来ビジョンが色濃く表れます。だからこそ、私たちは「物件を通して人とコミュニティを繋ぎ、人々の絆を育む」という理念のもと、単なるスペースの提供ではなく、経営者の未来を支えるパートナーでありたいと考えています。
成功する経営者に共通するのは、多角的な視点と柔軟な判断力。そして「自分の事業に本当に合う場所」を選ぶ力です。
これから開業や移転を検討される方には、ぜひご自身の「経営戦略の一部」として物件選びを捉えていただき、私たちと一緒に最適な未来を描いていきましょう。