事業用賃貸物件の「リノベーション」で価値を高める可能性
~古くても選ばれる空間に変える“攻めの不動産戦略”~
はじめに|物件の“古さ”をマイナスにしない選択肢
「築年数が古いから事業に使えない」――
そう判断していませんか?
実は、リノベーションという選択肢を取り入れることで、築古物件でも事業成功の舞台に変えられる可能性が十分にあります。
本記事では、事業用賃貸物件のリノベーションの魅力と活用方法を、デザイン・費用感・工事期間・補助金制度といった具体的な観点から解説し、「新築一択ではない」物件選びの新たな視点をご提供します。
1|事業用物件でリノベーションが注目される理由
▶ ① 立地 × 賃料 × 柔軟な空間設計
築古物件の多くは好立地ながら相場より低価格で借りられることが多く、その分、自由な内装設計やブランディングがしやすいという利点があります。例えば…
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古ビルの1階をカフェに改装 → レトロで味のある空間に
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スケルトン渡しを活かしてオフィスを“ラウンジ風”にリデザイン
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天井むき出しのインダストリアル調内装でコスト削減と雰囲気演出
築年数だけでなく「活用ポテンシャル」に着目する視点が求められます。
▶ ② “世界観”を反映できるブランディング強化
物件の内装は、お客様が最初に体験するブランドイメージそのものです。
新築・画一的な間取りの物件よりも、空間そのものにストーリーを与えられるリノベ物件は、ブランドコンセプトの浸透に貢献します。
2|リノベーション成功のための4つの視点
▶ ① デザイン|“映える空間”は集客力に直結
特に飲食・美容・アパレルなどのBtoC業種では、SNSでの発信も含めて**「視覚的な魅力=集客導線」**になります。
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木材やモルタルを活かした自然派カフェ風
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ヴィンテージ調什器を配置したブティック
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ホワイト×ライトグレー基調のシンプルオフィス
内装デザイン=販促戦略の一部と捉えることで、空間が営業ツールになります。
▶ ② 費用|初期投資はコントロール可能
物件の状態や用途によって異なりますが、目安としては以下の通りです。(注意:金額は工務店により異なります)
用途 | 坪単価目安(居抜状態) | 備考 |
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オフィス | 5万~20万円/坪 | 簡易な間仕切・床材・照明でコスト削減可 ※引渡状態がスケルトンの場合は約20万~40万円/坪 |
カフェ・飲食店 | 20万~50万円/坪 | 厨房設備・排気工事などで変動 ※引渡状態がスケルトンの場合は約30万~150万円 |
美容サロン | 30万~40万円/坪 | 給排水の確保がポイント ※引渡状態がスケルトンの場合は約40万~70万円 |
※スケルトン状態での貸出が前提のケースが多いため、費用の可視化・段階的工事提案など、プロの設計士・工務店との連携が鍵になります。
▶ ③ 工事期間|事業開始までのスケジューリング
内装工事の期間は、一般的に1ヶ月〜3ヶ月程度が目安です。
ただし、以下の要素により前後します:
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建物の設備状況(電気容量・ガス・排水)
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ビル管理規約(工事可能時間帯など)※A工事(オーナー施工・費用負担)やB工事(オーナー施工→借主費用負担)等にもよります
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近隣説明や音の問題(住宅街では要配慮)
早期着手のためには、物件選定時点から設計士を同席させるのが理想です。
▶ ④ 補助金・助成金|制度活用でコストダウン
名古屋市や愛知県では、創業支援・中小企業向け改修補助金の制度が用意されています。年度によって異なりますが、代表例として:
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名古屋市:創業支援助成金
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愛知県:中小企業省エネ改修支援
※問合せ時期により補助金が終了している場合があります。
※施工前の申請が必要なケースが大半。物件契約〜設計〜申請まで一貫して相談できるパートナー選びが重要です。
3|物件選びの選択肢を広げるために
多くの方が「築浅・現状そのまま利用可能」な物件を優先しますが、それでは他社と同じ目線でしか勝負ができません。
築年数に捉われず、
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立地の良さ
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建物の構造・天井高・窓の位置
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リノベ後のポテンシャル
に注目することで、“埋もれた一等地”を自分だけの事業拠点として活用できる可能性が広がります。
まとめ|「借りる」から「創る」へ。リノベで選ばれる事業空間を
築古物件も、リノベーション次第で唯一無二の事業拠点に生まれ変わります。
今ある物件に価値を見出し、磨き上げる視点は、コストを抑えつつブランド力を高める賢い経営戦略でもあります。
当社では、
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リノベーション前提での物件提案
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内装業者のご紹介
など、リノベ型事業展開の相談も行っております。
「この物件、使えるかな?」という段階でも、お気軽にご相談ください。